うらばなし


「クオリティ高いですね。正にヒャッハーさん。ただの骨ストラップならどこにでもありますが、油性ペンでバカと額に書くあたり、間違いなくヒャッハーさん。瓜二つのクリソツでマジモンというやつですね」


どこでそんな言葉を……。

まあ、それでも喚く溝出への打開策として骨ストラップの額にキム〇クと書きました。


「なんでまた」


溝出なりに超絶イケメンをアピールしたかったのでしょうね。溝出の骨格はキム〇クと同じだと言い張っています。


「骨にイケメンだなんてあるんですねぇ。そう書けば、溝出さんもさぞや満足したでしょう。それで、あなたの気付いたこととは?」


ええ。
ストラップから、溝出の額にもキム〇クと書いて思ったんです。


肉や表情がなく、全人類殆ど変わりない白骨にイケメンの名前を書いただけであら不思議。誰の骨か正体が分からない以上、名前をつければ、おのずと、正に、そのお方の骨格に見えてきましたと言いますか。


あれ、こいつ。あのイケメンの骨なんじゃね。


と、思う自分がいたというね、そんな話です。


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