うらばなし


ネバーランドの住人には相応しい子供ですからねぇ、ハーメルンは。


「かくいうあなたは、あの子を『ハーメルン』と呼ぶのですね」


最初は私もピーターだのと呼んでいましたが、スプガウスがあの子をハーメルンと呼ぶのを見て、感銘にも近い納得を覚えました。


ハーメルンだなんて、正にあの子にぴったりだなぁと。


「あの子の全てを知るあなたが言うのですから間違いはないのでしょうが、しかして、ハーメルン。笛吹き男で有名な地名ですよね」


地名は地名ですが、どちらかと言えば『ハーメルン』と聞いて人々が想起するのは『物語としてのハーメルン』だと思いますよ。


笛を吹く男に、子供たちがついていく絵あたりなんかを思い返すでしょう。


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