うらばなし


「皮固くなってんな。確かにこれなら、中身くり貫けば被り物にもなりそうだが」


クロス、剣で穴あけてください。


「ああ、こうか」(ずぶっと貫通)


ばかあああぁ!


「っー、す、すまん、力加減が分からなくてっ」


貫通させたらイカンだろうっ、しかもか切れ目から一気にヒビ入ったしっ。


「やっぱ干瓢を被り物にすんのが、そもそもおかしいんだろっ」


おかしくてもやるんだっ。ここまで育った干瓢の使い道は、もうこれしか残っていないんだから!


とりあえず、抜こうっ。そーっとだからなっ。


「お、おう」


ちょ、広がるっ。
ゆ、ゆっくり抜くんだ!


「や、やってるって!根元まで入ったから、なかなか……っ」


……。


「……」


……、クロス。


「ああ」


やめよう。
方々に誤解招くような気がしてならん。


「そうだな……」



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