うらばなし


そうして、一番に多い数を折ったのは、無論。


「私ですよ。目を瞑ってでも、折れるようになりました」


そうですか、はい、あー、うん、はい。


「お前だから、姫に作ってもらったのに――むぐ」(ロードに口押さえられる)


すごいですねぇ。鶴の折り方なんて、知らないはずなのに、いったいどこで知ったんだか、私がいなくとも、あなたたちは生きていけるのに、まった、く、もう……


「生きてなどいけませんよ。あなたがいたから、私がいるのですから」


物語とは程遠い、自己満足の、たわいないあなたたちとの会話なはずなのに、表現したいほど愛しい――私だけの物語です、ねぇ。


< 923 / 1,773 >

この作品をシェア

pagetop