うらばなし


愛してほしいと思うのは、愛しているから。


君の手首を鎖で繋いだのは、俺の手首と繋ぐため。

何もない部屋に入れたのは、俺以外を君の視界に入れないがため。


君の体にすがる俺は弱々しく思えよう。けれども、君を守るためならば猛々しくあろう。


こんな俺は、君の前でしか見せないよ。


絞め殺すほどに抱きしめて。鼓膜が破けるほどに愛を叫んで。


君が欲しくて愛しくて。


気がふれ狂って壊れそうだから、君を抱いて落ち着きたい。


愛し続けて、いたいんだ。



< 935 / 1,773 >

この作品をシェア

pagetop