病院恋愛
十数分後。


手術の合間をみて透視室にようやく主治医の先生が来た。


私と、検査介助をしてくれる先輩スタッフが準備を始める。


彼を透視台にうつ伏せで寝せて、背中を露出させる。


ブロックは背中から針を刺すから、刺す範囲をしっかりと露出させなければならない。


彼は以前の入院でブロックを経験していたから、準備はある程度スムーズに進んだ。


あとは検査セットを準備するだけ。


私達は検査セットを開き、注射器などをトレイに入れた。




…いよいよ、彼に針が刺される。


針を刺すこと自体は、痛みは少ない。


ただ、痛みが強くなるのは…、




「っイダァ―――――――っ!!」




麻酔薬を入れてからだ…。
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