はつあい ~彼と私の30日間


「いーよ、なんでも」


素っ気ない返事を返しながら、宗ちゃんはビールのプルタブに手をかける。

プシュっと、ビールの苦い匂いがして、私は顔をしかめてしまった。


「何?乾杯する?」


ビールに口を付けながら、宗ちゃんが目を細めた。


「……何に対して?」


ペットボトルのお茶のキャップを緩めながら問うと、宗ちゃんが突然笑い声を上げた。


「なんだろ……最低な日に?」


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