朱の蝶
「分かったよ
 
 近いうち、会いに行く
 そう伝えて

 じゃあ、俺帰るわ」

「ああ、お疲れさん」

最近の俺は、車を飛ばして
真っ先にチカの待つ家へと
帰る。

一秒でも早く、チカの元へ
帰りたい。

『おかえりなさい』

お前の笑顔に、仕事の疲れ
など一度に消えうせ、俺は
心から癒される。

家の前に停車する、一台の
タクシー。

誰かを待っているのか?

開く、玄関のドア・・・

男の靴?

「ただいま、チカ?」
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