朱の蝶
本当は、独りが怖いのは

お前じゃない

俺?

お前の、この手に

触れちゃいけなかったのかも
しれない。

俺じゃ、お前を助けられない

お前には、帰る場所はある?

お前は、どこに帰りたい?

「はあはあはあ・・・」

夢の中で私は、来た道を
もう一度、初めから駆ける。

逃げ出したい・・・

男社会など真っ平ごめん。

「組長さん
 
 アンタのせいで、うち
 全てを失ってもたわ」

長い髪、こめかみに当たる
銃口の先・・・

「見るな」
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