朱の蝶
二人きり

弱いくせに†千景

女であることを捨てた
あの日から、私は変わった。

強くあろうとした・・・

強く逞しい女になる為に
絶対に、弱さをみせないと
決めた。

いつの日か、クールで何を
考えているか分からないと
男達からも言われるまでに
成った。

舐めた口を叩く雑魚どもの
厚い頬を叩く手が痺れる

「女や思て、舐めんのも
 ええ加減にせえよ」
 
本当は、弱いくせに

本当は、怖いくせに

組を裏切った男の
女の死・・・

その結果、土壇場で
女に戻ってしまった私は
極道の世界から逃げ出した

逃げられる訳など無かった

私は、汚く淀んだ世界に
生きる女・・・

宿命・・・
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