踊れ その果てでⅡ<ケルベロスの牙>
そうして一際、豪華な扉の前で立ち止まった筒井は軽く扉を叩く。
「入れ」
声のあとに扉を開き、翼を促す。
「何の用?」
笑みを浮かべている戸塚に尋ねた。
「今何時だと思っているのかね。食事にしよう」
その言葉に翼は目を輝かせた。
リビングテーブルに乗せられている色とりどりの料理に駆け寄り、ジッと見下ろす。
「……凄い」
「好きなだけ食べていいんだよ」
子どもに話すような口調でソファに腰掛け、翼にも座るように手を示す。