踊れ その果てでⅡ<ケルベロスの牙>
◆最終章~螺旋は踊る
*修羅にあって
一端、間合いを離そうとした戒(カイ)に水貴(みずき)は素早く駆け寄った。
「!?」
「ざんねん」
驚く戒にニヤけた顔を近づけ、腰に両腕を回して持ち上げる。
「!? うあっ!」
ギリギリと締め上げる苦しみに歯を食いしばった。
「戒!」
「がっ……。あ──っ」
ミシミシと骨のきしむ音が全身に伝わる。
「もっと楽しめると思ったが拍子抜けだ。背骨をへし折ってやる」
「やめろぉー!」
必死に手を伸ばして翼は叫んだ。