雨上がりの君に恋をして

「さ・・・の・・くん？」
そう。入ってきたのは佐野くんだった。


「お前、屋上でよく泣くんだな」

「ここ、誰もいないから泣き顔見られないんだ。私人にそういうのみせたくないから。」

「ふーん。でも俺は見ちゃった。」
佐野くんはフッと笑い私の頬に手をかけ、また流れていた涙を手で拭き取ってくれた。

「神崎のコト誰が泣かせてんの？」

あなたのために泣いていたんです。
・・・なんてとても言えないよ。

「言いたくない。」

「でも、神崎を泣かせたやつはこの俺が許さない。なんちゃって」

「ッふふ」

「やっと笑ったな。お前には笑顔が一番似合うよ。」

ドキン・・・。
また心臓が鳴った。
この音ばれてないよね？
この恋は諦めるって決めたのに・・・。
どうしてこんなにドキドキするのー？