ここから始まる4つの恋
部長がまたしても耳元で。

「はは、君はおもしろい子だね」

「い、いきなりそんなこというからですよ」

「それはすまなかったな。お詫びにここに青井くんを呼んであげよう」

「え、いやいやいいですよ!」

あんな失態を犯した後なのに恥ずかしいよう~。

「まあまあ。ちょっと青井くんこっちきて」

「は~い」

部長の宣言どおり青井さんが来てしまった。

「おお、青井くん。渡来さんの相手をしてくれないか?」

「部長~。何で俺が」

「まあいいじゃないか。部長命令だ。まさか仕事熱心な君が断るわけないだろうな?」

「もうすでに勤務時間外です。残業代を請求しますよ?」

「はは、痛いところを疲れた」

何か部長さんばっかりしゃべっているような。

「相変わらずですね部長は」

このままでは進展も何もないので会話に入ることにした。

「あの青井さん。部長っていっつもこんな感じなんですか?」

「うん?ああ、こんな感じですよいっつも。何考えてんだか」

「な、失礼だぞ青井くん!」



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