恋〜koi〜



放課後の図書室に、君はいつも隅の席に座っていた。



うちの学校は、図書室が最上階にあり、生徒の間でも一番景色が綺麗な場所として有名だ。


本の種類も豊富で、読書が好きな人にとっては楽園だという。



じゃんけんで負け、図書委員となってしまった俺は、火曜日と木曜日の放課後、図書室で過ごすことをよぎなくされた。


確かに良い場所だけど、貴重な放課後を潰されるのは嫌だった。



だけど、そこで……ひとりの女子に出会った。



いつも隅の席に座り、様々なジャンルの本を日替わりで読んでいる。


一見地味で目立たない雰囲気だけど、本を真剣に読む姿は画になってて。


時々、長い髪を邪魔そうに耳にかける仕草に、思わずドキッとしてしまった。



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