【完全版】秘密のフィアンセ☆ 上



部屋に一歩入り、立ち止まる。


「ねえ、琴ちゃんて、佑斗がヤクザの息子だって知ってるの?」


佑斗の顔を見れなくて、前を向いたまま話した。


「知ってるよ。ガキの頃に、唯一オレを偏見の目で見なかったのが、琴だったんだよ」


そうなんだ…。


だから、好きな女の子だったんだね。


「それで、手作りクッキーを貰ったんだ?」


「えっ?あ、ああ。あれは、バレンタインの時だったんだけどな」




< 95 / 143 >

この作品をシェア

pagetop