いつもとなりにはキミがいた
すれ違い



携帯も無くて、何かに集中したくても何もない。



仕方なくリビングにおりた。



「お母さん、帰ってたんや。おかえり」



お母さんは包丁で玉ねぎと格闘している最中だった。



「ただいま〜ってなんであんた目赤いん?」



「え‥ほんまに!?」



慌てて洗面所の鏡を見た。



雄ちゃんの言葉が傷付いていたうちを更に傷つけた。



リビングに戻るとお母さんが心配そうに見ていた。



「あぁこれな!!最近花粉酷いから泣いてもうたんよ痒くて。」



心配かけへんように花粉のせいにした。



お母さんは「そっか。あんまり擦りなや、そこの目薬入れ」と言って目薬を渡してくれた。



それを「ありがとう」と言って受け取ると。



ピンポーン♪




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