ーキミと誓った約束ー
気づけば,あっと言う間に授業が終わり,
皆は帰る支度で,せわしなく動いている。


ー裕真君,来ないな…。
自分も鞄にノートや教科書を詰め始めた。


「舞華,帰らないの?」

ずっと席に座り込んで,なかなか立とうとしなぃ私を見て,不思議そうに首を傾げると,ゆっくりと近付いてきた。


「うん,ちょっと約束してるから…先に帰ってて?」


「ふーん…(´_ゝ`)あ,裕真君でしょ」


少し考えるように,ウーンと顎を触る仕草をする美緋。。そして,アッ!!と声を漏らし,急にニヤニヤと笑みを浮かべ始めた。


「もーう、美緋には叶わないや」
私は肩をすくめて,溜め息を吐く。


「ーえへへ!…じゃあ,また明日ね♪」

「うん,また明日ね♪」


お互いに手を振り合い,サヨナラの挨拶を交わした。


「ー舞華!!王子様の登場だよ♪頑張ってね」

教室を出たはずの美緋が戻って来て,
ニンマリと嬉しそうにイタズラっ子な笑みを浮かべて言った。


「ー///ちょっとッッ!!美緋ッッ!?王子様って……」

ガタンと勢い良く席から立ち上がって、顔を真っ赤にして怒る私に,美緋はサッサと逃げてしまい,その代わりに裕真君が教室に入ってきた。


よく見ると,裕真君の制服は所々,汚れていて,息が荒れている。


「どうしたの!?…」


「うん…、ちょっとね」
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