かたっぽうの恋
逢いたいのに…
土曜日の夜。
「………」
部屋のベッドに仰向けになって天井を見つめながら、私はなにを考えるわけでもなく、ぼーとしている。
ぼーとしているせいかな、ふっと頭によぎる。
『―――逢いたくなったらメールだって、電話だってして構わないよ。俺だって…』
思い出すと、顔が熱く火照っていくのがわかる。
「……せんせ」
――――『俺だって…』
振り向いた先生の顔がまぶたに焼き付いて離れない。
『眞央に逢いたいって、思ってた…』
あんなに真剣で、恥ずかしそうで真っ直ぐ言われたら、誰だってドキドキするよ。
頭からボワッと湯気が出たような感じで、胸がホワホワする。
「……ん~。」
仰向けから横に向くと、枕元にある携帯が視界に入った。