かたっぽうの恋

がんばれ男子っ!

放課後。

淳子は今日もバイトらしい、居酒屋のバイトって忙しそう。淳子って美人だしスタイル良いからナンパとかされないかなぁ。


美保はと言うと、実は…。



「じゃあアタシ、バイト行くから!」

「うん、頑張ってね」

「気をつけて~」


教室を出て行く淳子を見送り手を振る 私と美保。


すると、教室を出ようとドアを開けた淳子が、「おわっ!」と誰かにぶつかったようだった。


もちろん、私も美保も目を向けた。


「悪ぃ、急いでて…あぁ、田中じゃんか!」



あ、本当だ。 淳子の前には高校生になり、背が伸びて男らしくなった田中くんがいた。



「デカイやつと思ったら、なんだ三浦か納得だ」



ごちんっ!!!!


「あィダッ!!」


淳子の拳が田中くんの頭に降り落ちてきた。


「一言余計なんだよ田中は、んな所でボケっとしてんなよ!」


「ずみまぜん…」


頭を抑えながらうずくまる田中くん。中学生の時から2人はこんな調子だね。


涙目をウルウルさせながら田中くんが淳子を見上げた。

「三浦ぁ、美保はいる?」

「おお、いるよ!おい美保、田中が………あ」



え?なに?




あれ!?
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