たった一つのプレゼント




今日の迅は
なんだか変だよ。




「…………どうしたの…迅。
 最近機嫌悪かったり…
 こうやって怒鳴ったり…。
 優しくしたり……

 なんなのよ…もぅ…………」



「……………。」




「最近わかんない。
 迅は何考えてんの…?」


「…………俺はさ……」




眉間にシワを寄せて
迅が話しはじめた。




「お前が幸せなら
 それでよかった。」






思い出すのは

私の人生が崩れていった
あの時から


迅が私の側に
いてくれた事。





どんな時だって
すぐに助けてくれた。





「きょうだいみたいに
 思ってたからさ、ずっと。

 …いつだったっけ、
 お前が俺以外の
 誰かんとこに行ったらって
 考えたんだよ。
 いい気分しなくて。」




私達は向き合ったまま
静かにお互いの気持ちをぶつけた。



< 97 / 106 >

この作品をシェア

pagetop