空界と悪魔と契約者と
「うぉおおおおっ!」
トップ・ゴースに向かって拳を放つ。しかしトップ・ゴースは拳を軽々とよけた。悠が次の行動に移る前に、悠のわき腹に蹴りがめり込んだ。メキメキと鳴っては行けない音がなり、悠は10メートルほど飛ばされた。痛みがないと言っても、体は体だ。悠は立ち上がろうとしたが、なかなか足に力が入らない。
「ふむ。拳だけで我がしもべを倒したから、どんな契約者かと思っていたんだがな。どうやら期待はずれのようだ。」
トップ・ゴースはこっちに向かってくる。悠はさっきと同じように拳を構えて突っ込んだ。悠は顔を狙ったのだが、男は首をすこし横にずらすと、手に持っていたチェーンソーのような物ボルトチェーン[機械仕掛けの雷電剣]で、悠を斬りつけた。
「くっ・・」
悠の左腕が切断された。悠が左腕の回復を待っていると、右足も切断された。バランスを崩し、倒れる。
「回復がっ・・追いつかない!」
悠が倒れた所に向かって、ボルトチェーンが振り下ろされる。グシャっと音がなり、悠の胸に刺さり、そのまま地面と一緒に串刺しにされた。
「身動きできまい。」
トップ・ゴースは悠の隣に立つと、近くにいた黒い犬に手をむけた。すると黒い犬は男の手のなかで細い剣になった。男はその剣を悠の両手両足に差した。標本のように、悠は動けなくなる。
「貴様はそこに居るがいい。あちらの空界人を殺す邪魔をされては、困るのでな。」
トップ・ゴースは悠に刺したボルトチェーンを抜くと、背を向けた。リナの倒れている方に向かって行く。
「待てっ!悪魔!リナには手を出すな!」
トップ・ゴースは振り向くと、
「ふん。貴様に何が出来ると言うのだ?戦っていてわかったが、貴様には武器が無いのだろう?武器を持っていない契約者など初めて見たが・・。まぁいい。後で貴様の魂を調べればわかることだ。」
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