恋愛LEVEL−2−


あたしは智也と奏の大学の前にいた。



行き交う人がみんな大人に見える。


工業大学ではあるけど、女の人も思ったよりたくさんいて、

智也が言っていたように女子大生は大人の色気があった。


正直、自分がとても幼く見えて、自信がなくなっていた。


「どうする?中に入るのやめる?」


「どうしよ…」


あたしは俯いた。



智也はそんなあたしに、


「一緒に行ってあげるから。」
と、言ってくれた。



大学内に入ると、制服姿のあたしたちは一気に注目を浴びる。


そんな注目を無視して、あたしは奏の姿を探した。


しばらく歩いて、食堂や購買がある場所に着く。


「さすがに大学は広いな…帰ろっか♪」

智也がそう言った時、


「よぉ!千秋♪」


山下くんがあたしの前にいた。


「山下くん!!久しぶり!!今日バイトは??」


「今日はゼミあるから休み…ってか、何してんの?めちゃくちゃ目立ってんだけど…」


山下くんは智也をチラっと見る。


「あ、この子は高校の後輩なの。彼氏がここの大学だから、ちょっとついて来てもらって…」


「へぇ…。てっきり、あの彼氏とは別れて、俺に会いに来たのかと思ったけど?」


「ちょっと、千秋!ひょっとしてまたライバル出現??」


智也は冷たい視線で山下くんを見る。


「そ、そんなんじゃないよっ!」


山下くんは、はぁ…とため息をついて、

「俺は千秋を待つ身だから…」とサラっと言った。



その後、山下くんは講義があるから…と、私たちと別れた。




< 20 / 78 >

この作品をシェア

pagetop