秘密のMelo♪y③*ウィーン編㊤*

「???」


色んな意味で混乱しだしたあたしをいち早く察知したかっくんが、もう一度口を開いた。


『…こいつもらってくんで』


『へ? あ、はあ。どうぞ。お返しします…?』


「ほらまお、バイオリン」


「にゃ?」


あ。

ハディ持っててくれたんだ。


『ごめんハディ、ありが…ふにゃ!?』


たった一歩踏み出しただけなのに、前のめりに倒れかけたあたし。

フッツーにそんなあたしの胸の下に手をまわして、後ろから抱きとめたかっくんだった。


『それ』


『え? あ、はい、どおぞ』


そのまま反対の手でハディから荷物を受け取ると、「別荘どこ?」とあたしに聞きながらすたすた歩いて行った。


『いや…どういう関係?』


『恋人同士…? 婚約者? …でしょ?』


『今絶対転げそうになったのに、フッツーに受け止めて何事もなかったように終わりて』


『きっとマヒロはいつもああなのよ』


必死に話し込むみんなに挨拶もできないままだったけど、かっくんがいることが嬉しすぎて、腕に絡みついた。



うふ…❤

なんだかわからないけど、本物のかっくんだ。

かっくんがここにいる!



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