極甘王子はいかが?

訪問、子うさぎ!


そして無情にも時は過ぎ。

只今放課後。


「さぁっ、行くのですわ、雛姫さん!!」


ビシィィッと、会長モードの伊織の号令。

それとともにがっちりと腕を掴まれる。


「痛い~!!」

「こうでもしなくちゃ、逃げるでしょ?!」

「伊織ぃ~~~っ」

「観念なさいな」


ズルズルと引きづられて、無理やり車に乗せられる。

黒塗りの左ハンドル、しかも座る所がフワフワ。

高級そうだ…。


「おかえりなさいませ、伊織様。
いらっしゃいませ、柏木様。」


微笑みを浮かべた運転手さんが声を掛けてくれる。

これは、返事をするべき?


「初めまして!お世話になります!!」

「ただいま。大宮邸まで行ってくれるか」

「はい」


もう、覚悟を決めるしか…ないよね。
< 65 / 69 >

この作品をシェア

pagetop