それでも好き!!


―――。次の日。


今日はモデルの仕事がなく私は部活に行く事にした。
アップしてトレーニングしてたら2時間がたった。残り一時半。そろそろゲームが始まる。時計を見て気合いを入れた時だった。


ガチャ。


扉が開く音がして扉の方を見るとそこには175センチくらいの大きくてごつい?細マッチョ的な人が立っていた。
「すいません、遅れました。」
ボソッと言って男の子が入ってくると顧問であるオヤジがエロ本から目を離してその男の子を見た。

「何で遅れた?」
「色々あって遅れました。」
「テメェふざけんなよ!何回目だ!!」

一瞬静まり返った体育館。
そしてまたざわめき始めた。

「またかよ」
「めんどくさっ」
「馬鹿じゃん」
「疲れる」
「ウザいな」

なんて声が次々聴こえてくる。
私はよく部活を休んでるからみんなが知ってる事を知らない。
状況がわからない私は近くにいた梨香に聞いてみることにした。

「どういうこと?」
「帰りに説明する。」

それだけ話して私たちはその子が怒られてるのを見ていた。


それからしばらくしてその子は帰った。
練習が再開してゲームが終わった頃…
部活終了15分前の放送が鳴った。
クソオヤジは「今日はミーティングなしだ」とだけ言って体育館を出た。


帰り道。
私と梨香は友達と別れて2人になった。
2人になってすぐに私は梨香に疑問をぶつけた。

「ねぇ?」
「ん?」
「今日怒られてた人誰なの?いつもあんな感じなの?」
「はぁ!?澪は帝も知らないの!?今年で2年目でしょ!?」
「だって…うち学校休みまくりだし…男子に興味ないし?」

確かに2年目になるのにバスケ部員の名前を知らないのはマズいと思った。
だけど…怒ることないよね…

「はぁ…」とため息をついて呆れた様子で梨香は話し始めた。

「今日怒られてたのは『神崎 帝』澪と同じ名字だよ?本当に知らない??」
「知らない。あんな…人居たっけ?」
「居るから練習来たんでしょ!」
「そっか…」

考えても考えても思い出せない。
あんな人…居たっけ?
考えたら梨香がまた話し始めた。
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