らぶ★ちゅー


やわらかくて温かい風が吹く。


すぐ近くで、どこか遠くで、新緑の葉がこすれあう音がした。


同時に2人の髪が、風に揺れる。



君が、帰ってきた。




「・・・ち、ば・・・くん」


声が微かに震えた。


「なんでそんな金魚みたいな顔してんの。久しぶりに会った彼女の顔がこれ?」


フッと口を緩めて笑う君。


・・・嘘。


嘘、嘘、嘘。


「・・・千葉くんっ!」


あたしは目の前の千葉くんに思いっきり飛びつく。


「遅いんだよ、ばぁか」


「おかえりっ、おかえりっ!ずっとずっと会いたかった!」


離したくなくて、離れたくなくて、千葉くんの背中に手をまわした。


「ん、俺も」


千葉くんもあたしを包み込むように、ぎゅっと抱きしめてくれた。


なんか、今すぐにでも踊りだしたい気分。


胸がドキドキして、それでもってワクワクしてる。


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