恋愛ごっこ。



小学生はお洒落すらしなかった。
中学生になって2年生後半にようやくお洒落し始めた。

メイクは未だしたことないし…



「‥も!桃!!」

「っあ、ごめん‥」

「もお、大丈夫?」

「うん、平気‥‥っわ!」



よそ見して人にぶつかってしまった。



「ごっ、ごめんなさい!」

「いや‥大丈夫か?」

「は、はい‥すみません」


見上げると、いかにもスポーツをしてそうな、爽やか系な男子。


「んじゃ俺急いでるから!」

「あっ‥」



そう言うと駆け足で帰ってしまった。



「足、速‥」

「桃、大丈夫?」

「あ、茉奈ごめんね、迷惑ばっかり。」

「ううんっ!それよりさ、今の人もなかなかかっこいいじゃん。先輩かな?」

「え、‥うーんまあ‥」





ふと下を見ると、サッカーのキーホルダーが落ちていた。


「あ、もしかして今の人の?」

「わかんないけど、たぶんそう‥どうしよう。職員室に預けるべき?」

「桃が届ければいいじゃん♪」

「ええっ」

「お近づきになれるチャンス!ね?」

「別にお近づきしなくていい~っ」

「まあまあ♪」




茉奈はあたしをよくからかう。


(高校生活、どうなるんだろう)



わくわくもするし
不安もあるし。




よくわかんない!



< 8 / 9 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop