秘密ごと

少し歩いて、私たちは空き教室に入った。

中々話し始めない先輩に少し苛つきを覚えたころ大月先輩が信じられないことを口にした。

「千晴ちゃんって、鬼竜のメンバーだったんだね。」

開いた口が塞がらないっていうのはこういうことだろう。

「何で知ってるの?って顔してるね。」

大月先輩がクスッて笑いながら言った。

「ちが‥「今更、否定しても無駄だよ。」

否定する余地も与えてくれないのか、この人は‥。

「どうして無駄なんですか?」

私がそう聞くと先輩はまた笑った。

「見ちゃったんだよね。」

そう言われて、私は昨日の記憶を引き出した。

‥っ、まさか!!!

「あーたり!昨日公園で黒い特効服を着た、千晴ちゃんを見ちゃったんだよね。」


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