王子様と甘い生活

「えっ…んっ…」



いきなり唇が重なり思わず声が漏れた。
なっ、なんで…

なんで私、坂井くんとキスしてるの!?



「っ…やっ!」



ぐっと坂井くんの体を押して離そうとするけれど、びくともしない。

そればかりか、押し返されて私の体はベッドに倒された。
唇はまだ重なったままで、何度も角度を変えて重ねられるから、頭がクラクラする。


どのくらい時間がたったのかわからない。
しばらくして唇がゆっくり離れた。


坂井くんが至近距離で私にほほえみかける。



「お礼はこれでいいよ」

「なっ、なんで…」



わけがわからなかった。何で、坂井くんが私にキスをするのか…
全くわからない。



「あんまり無防備だと、またするよ?」



そう言って、坂井くんは私の頬を撫でた。

あぁ…
ベッドに座ったのがいけなかったの?


何がなんだかわからなくて、頭がぼぅっとした。



期末テスト
【END】

< 89 / 98 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop