先生~あなたに届くまで~

一人で歩く時は静かな廊下も
三人で歩くと賑やかだ。


ただ私の心臓はいつも通り
ドキドキと高鳴っていた。


「着いたぁ~♪」

春菜は扉の前でニコニコ。

「早絵!!
 春菜お腹痛くなっちゃった~!!
 トイレ付いて来て♪
 雪音!!プリント渡しといて!!」

春菜は早絵の手を引いて
バタバタと走り去っていく...。

「春菜、あんたたまにはやるじゃない。」

早絵が手を引かれながら
春菜を褒める声が聞こえた。






状況が理解できない。
心の準備が出来てない。


すると小さくなった春菜が
バッと振り返って

「絶対渡しといてね~♪」

と叫んだ。


私は諦めて
そしてちょっと春菜に感謝して

深呼吸した。


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