先生~あなたに届くまで~

顔は“普通”なのに
笑顔がとんでもなく可愛かった。

細くなる目。
大きく開けて笑う口。

正直ドクッと胸が鳴った。

だけど....何か...

「チャラい。」

つい声に出た。
焦って周りを見渡すけど

誰にも聞こえていなかったようだ。

“よかった”

ホッとして教壇の方に目をやると

先生と目が合った。

先生はにこっと笑った。
私は勝手に感じた気まずさと
その笑顔への嫌悪感で苦笑いを返した。



――――――――

先生?
私があの日感じた思いを知っていますか?

初めて感じた想いに一番戸惑ったのは
間違いなく私です。

高鳴る胸の鼓動を必死で
無視していたよ。


――――――――


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