先生~あなたに届くまで~

ふぅ。

私は昨日の夜の事を考えて
溜息をついた。

「雪音、何か考え事してるの?
 やっぱり昨日何かあったの?」

春菜が再び質問マンになりかけた時

「春菜。
 雪音が何もないって言ったでしょ?
 
 そしたら何もないのよ。」

早絵が春菜を諭すように言った。


「えーーーー!!!
 何か怪しいじゃーん!!」

春菜も食い下がっていたけど
早絵は聞く耳持たずって感じで

そのやりとりを見てると
さっき感じた違和感は
やっぱり私の気のせいだと思った。



「よしっ!!
 書けた!!日誌持って行って来るね。」

私は書けた日誌を手に
二人の返事も聞かずに教室を出た。


“先生に会ったらどんな顔をしよう。”

“普通に出来るだろうか。”

“先生はどんな態度をとるだろう。”


準備室に着くまで色々考えたけど
きっと先生は普段通りで
私が一人、拍子抜けする羽目になる。

そう思った。




静かな廊下に私の足音が響いた。



扉の前で一呼吸をおく。




コンコン。




「はい。どうぞ。」

中から声がした。


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