デイズ~Dear my mind~


邪魔とは言っても、うちだって意味もなくそんなことを思わない。


・・・・・・はず。


とにかく自分第一の砂川麻耶の考えが嫌だった。


1番印象に残っている悪い思い出は、夏休みに起こった。


その頃、うちとのぞみちゃんはテントウムシを探してきて、学童にあったシルバニアファミリーの家で遊ばせるのにハマっていた。


メルヘンな家に虫っていう、すごい不釣り合いな光景だけど。


そこに砂川麻耶がずかずかとやってきて。


「麻耶いっこテントウムシ使うから、どっちかじゃんけんで負けた方が自分のテントウムシとってきて」


・・・自分でとってきなよ。


何度そう思ったことか。


たびたびそんなことがあって、毎回うちかのぞみちゃんがテントウムシを探しに行った。


テントウムシが見つからなかった日にはダンゴ虫で代用した。


2人がテントウムシを使っているのを羨ましく思いながら。


だけど季節も季節で、だんだんテントウムシが見つからなくなって。


うちとのぞみちゃんが2人ともダンゴ虫を使うことがあって。


そのとき、テントウムシを使っていた砂川麻耶が言った。


「麻耶もダンゴ虫がいいからとってきてー」


・・・もうため息をつくしかなかった。



そんなわけで、うちは砂川麻耶が大嫌いだった。


おめでたいことに、その年の最後のほうで転校してくれた。


心の中で盛大にガッツポーズをしていた。


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