オレンジ*ロード





一番背(そむ)けたくなる言葉で、一番背けてはいけない言葉だと思った


病状の重い軽いはあるけれど、死という一番最悪なレールの上に彼女も乗っている


そうならないと、

そうなるはずがないと思っているけど、頭にしっかりと叩き込んでおかないといけないと思った

そして同時に決意した


俺が絶対彼女の一番の支えになる事

彼女よりも不安にならず、今まで通りの俺で居る事


彼女の病気の事は朝のホームルームで担任がみんなに伝えた


俺が昨日感じた通り、みんな信じられない様子だった


彼女と一番近い距離にいる俺は周りの人達に色々と聞かれた

俺もまだ把握できていない現状で、唯一言える事と言えば


“大丈夫”


彼女が昨日俺に言ってくれた言葉でみんなの気持ちを必死になだめた



学校が終わり、病室に行くと彼女は笑っていた

昨日はだるそうだったけど、今日は大丈夫みたいだ



『なんで笑ってるの?』


いつも以上にニコニコしている彼女に聞いてみた



『いつも通りの幸汰だから』

彼女は迷う事なくそう言った


彼女もまたいつも通りの彼女で、小さな彼女の体の中に大きな病気があるとは思えなかった





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