オレンジ*ロード




彼女の髪の毛は全て抜け、帽子を被るようになった頃俺達は付き合い始めて2年の記念日を迎えた


派手なお祝いはしなかったけど、いつも通り二人で過ごした

それが一番のプレゼントだと思ったから


『実はね、お母さんとの骨髄が一致したって今日言われたの』


薬で効果が得られない彼女は骨髄移植という治療をする事になった


骨髄移植をする為にはドナーが必要で、誰かから骨髄を提供してもらわないといけない


骨髄が一致するは難しく、家族では25%、その他の人では数百〜数万の確率と言われている

だから彼女と彼女のお母さんの骨髄が一致した事は幸運な事で、

神様からのプレゼントだと本気で思った


骨髄移植をするにはダメになった細胞を根絶する為、致死量を越える抗がん剤が投与される


その前治療を行わないまま移植すると患者が死亡してしまう危険があるからだ


移植できる骨髄が決まり、彼女はすぐに手術に向けて治療を始めた


その間俺は面会謝絶となり、彼女を遠くから見守る事しか出来ない日々



----手術の日、俺は彼女の顔を一目見る事が出来た


治療の辛さが顔ににじみ出ていたが、その目は希望に満ちていた





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