菊の花

「貴方のせいで人を殴ってしまった」

その時、俺は桔梗に暖かいものを感じた。

「お前、俺の家臣にならないか?」

「貴方の家臣ですか?」

あの時の桔梗の驚いた顔は今でも忘れない。

「そうだ!俺の名は将と言う」

「それは存じております。貴方をご存知ないという民はこの国にはいないでしょう」

「で、やってくれないのか?」

「分かりました。引き受けましょう」

桔梗はこうして俺の家臣となった。



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