菊の花

「では一つ、覚悟を見せてもらおう」

挑戦的な眼差しを女に向ける。

「見ていて下さい」

女はそう言うと自分の村に素早く帰っていった。

そして、わずか数十分で村は火の海と化した。

戻ってくると私の前に跪き、

「これが私の覚悟です」

と言った。

私はその故郷をも捨てる勇気に感動した。

「気に入った。そなた、名を何と申す?」

「・・・清煉です」


それが清煉との出会いだった。
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