桜の木の下で。
《第3章》

桜の木

あれから、数ヶ月が経った。
「ってか、婚約なんだから付き合う必要ないんじゃないの?」
宗谷先輩と順調に交際中の有子。
「でも、私、先生の事・・・あんまり知らないもん」
「まぁ、そうだけどさ・・・」
「だから、良いの♪」
「ホント、変な付き合いからするよなぁ~」
「宗谷先輩には言われたくないです」
「まぁ、そうだな・・・」
宗谷先輩は有子が作ったお弁当を食べていた。
「ってか、何で、ここに居るんですか!」
「ん?何が?」
「宗谷先輩、大学生なのに!!」
「ん?今日はね・・・専攻してる講義が休みなんだよ。だから、有子にお昼作ってもらって・・・ここで食べてるのだよ♪」
「なんですかそれ・・・」

「・・・ん~・・・」
「何唸ってるの?」
「・・・来週、先生の誕生日じゃんか・・・」
「だね!5月15日!」
「そう。で、何あげたら良いか解んなくて・・・」
「”私がプレゼント”って言うのは?」
「それ、マジギレするよ・・・(笑)」
「まぁ、先生には冗談が通じないからね・・・」
「何が良いかな・・・」
「あ!!」
「ん?」
「ネクタイは?」
「ネクタイ?」
「そう。それなら、いつでも付けられるし♪」
「あ~・・・」
「よし、今日の放課後見に行こう!部活ないんでしょ?」
「うん。行こうっ!」
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