干物女に一滴の雫を・・・
 ぎぶぎぶぎぶぎぶ!!!!

 というように私は二人の手を力強くたたく。

 「わぁ!ごめん!!!」

 二人が手を離すと同時に私はクルリと体を反転させた。

 涙目で二人を見上げると・・・・

 失笑中。

 ???????????

 「私、植月唯緒。風宮高校の二年生。よろしく!」


 と言い、手を差し出す。

 「柏木千紘です。よろしく。」

 手を握り返すと植月さんが口を開いた。

 「ちーちゃんって呼んでいい??」

 返答をしようとしたが・・・・・・

 「私のことは唯緒でいいから!今日からこの学校でしょ?」

 と質問攻め・・・・・でもないが・・・・。

 「まぁ。一応。」

 あいまいな答え方をするのが一番か??

 「それにしても、ちーちゃんって男っぽいね。」

 ・・・ぽいとは思っていたのかい!

 「お!変人イオちゃんもやっぱりそこは認めるのか!?」

 とさっきから黙ってみていた佐倉冬稀が言う。

 「あんたねぇ・・・・・。」

 植月(まだ名前で呼ぶのはおこがましい。)さんは

 顔を引きつらせながら佐倉冬稀を睨む。

 アハ!とお茶目な笑顔を植月さんに向け私のほうに向き直った。


 「ちーちゃんさぁ、もっとかわいくなろうとか思わないわけ??

 素はいいのに。」

 ・・・・メンド。可愛いとかそういうのマジでメンドイわ・

 それに、私にはそんなこれから新しく人生を切り開いていこうなんて

 思ってもない。過去が暗すぎる。
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