甘い恋には遠すぎて
『ちょっと〜一臣、お客様よ〜!!』
母さんの声がする。
正月早々、誰なんだ?
今行くと返事をして玄関に向かう。
そこに待っていたのは
『みや美か……。』
今度は一体何だというのだ?
『ちょっと出てもらってもいいですか?』
小声で囁く。
『あ、あぁ…ちょい待って。』
ダウンを取りに部屋に慌てて戻り、またみや美の元へ。
『お待たせ。とりあえず家出るか。』
俺はみや美の前に立って歩きだした。
コイツが来る時は、きっと夏稀のことで何かある時に違いない……と、変な確信があった。
しばらく歩き、よくあるコーヒーのチェーン店が目につき、入るか?と聞くとみや美は頷いた。
みや美に席を確保させ、俺はコーヒーを持ち、その席へ帰る。