black-and-white
扉に寄りかかっていると反対の扉が開いた。




「…要…──」




中から出て来たのは冬真君だった。



冬真君に下の名前で呼ばれてドキッとする。



でも、いつもの冬真君じゃない。



口元からわずかに出ている牙。



目は赤く光っている。



あなたは、誰?




「……お前、なんで来た」




沈黙が続く中、最初に声を発したのは澪だった。



わたしは恐怖で口を開く事が出来ない。




「……」



「…おいで」




冬真君に招かれ教室に足を踏み入れた。



そこはわたしが知らない教室であった──。
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