レンアイ 遊興
ガチャ
「ただいまー」
家に帰って靴を脱ぐ。
あれ?靴が一つ多い。しかも男もの?
「おーつくし。お帰りー」
そう言って顔だけ出すお兄ちゃん。
あ、そういえば今日はお兄ちゃんの友達が来るって言ってたっけ。
そう思いながら、リビングに入る私。
「あ…」
瞳の先に映ったのその人は、一瞬目を丸くしたがすぐに微笑んだ。
「コイツが朝言ってた空。」
「海風 空(ウミカゼ ソラ)です。つくしちゃんだよね?よろしくね」
お兄ちゃんの言葉の後に初めて聞くその人の声。
「よ、よろしくお願いしますっ」
緊張せずにはいられなかった。