レンアイ 遊興
すれ違い

◇…揺れるつくし





文化祭を明日に控えた私たち。


「『貴方は隣の国の王子様!どうしてこんなところに…』」


お姫様役の私が叫ぶ。


「『貴女を迎えに来ました』」


キラキラと光る満月のほんのり明るい光が幻想的で。


「『え、なんで…』」


「『そんなことを言ってる暇はない』

『さあ、早くここから逃げましょう』」


まっすぐ私の目を見る拓ちゃん。


役だってわかってても緊張する。


「カットーーっ!!」


その声にふぅと息を出し、拓ちゃんから目を逸らす。



あれから拓ちゃんが直視出来ないんだ。




< 157 / 412 >

この作品をシェア

pagetop