レンアイ 遊興
「つーくし」
その声にびくりと体を震わせる私。
「なんでそんなに驚いたの?」
一段とにこにこしてる拓ちゃん。
まさか…このタイミングで話し掛けられると思わなかったんだもん…。
「いきなりで…ちょっと」
あはは、とごまかす私。
すると拓ちゃんは別にいいんだけどね、って微笑んだ。
「劇の練習しようよ。今、他の役の練習してるから。ほら、教室でもかえてさ」
拓ちゃんはあれから、私からの返事を促すようなことは言ってこない。
いつも通りだけど、でも…多分待ってるよね。
「いいよ。行こう」
ちゃんと今度返事しなきゃ。