レンアイ 遊興




すると、拓ちゃんは少し頬を赤らめて


「…つくしもすげぇな」


「え?」


「その…似合ってる」


なんて言うから、ありがとうって笑顔で答えた。


そしたらなぜか拓ちゃんが、パッと視線を逸らして


「ほら、始まるぞ」


って歩き出したから私も慌ててついて行った。



ガチャン


「なんで鍵閉めるの?」


図書室の鍵を閉めた拓ちゃんにそう聞くと、拓ちゃんはにこっと微笑んだだけだった。


まぁ、いっか。

そう思って、自分の指定されてる位置にスタンバイする。



そして、

ピカッと光るスポットライトを浴びて


「あるところにそれは可愛いお姫様がいました」


劇が始まったんだ。





< 252 / 412 >

この作品をシェア

pagetop