レンアイ 遊興




あきの言葉に口を開いたまま固まる敏史。


そして長い沈黙の後に、小さく言った。


「う…わき。朱音が…浮気」


「お、おい。大丈夫か…?」


魂が抜けたような敏史は、とにかく普通じゃなかったから、つい心配になる。


「浮気ってことは…ナンパされに行くってことか?いや、もしかしてクラスの奴らに逆ナンするとか…」


ぶつぶつ言っている敏史の言葉はまるでお経のようで。


「多分、合コン」


そんな敏史にオレは言った。


「今カラオケボックスにいるっぽいし、生徒会メンツで合コンの話出てたから」


オレが言うと、敏史はバッとオレを見た。


「合コン?合コンって言った?」


「え?あぁ」


目を輝かせる意味がわからないオレは曖昧に返事をした。



「よしっ、オレに任せろ!」




< 384 / 412 >

この作品をシェア

pagetop