エリートな彼に甘く奪われました
「遼!待って!聞いてよ…!」

「俺は、君に溺れて…、たった二週間すら我慢出来ない。
だけど君は…」

「遼、私もよ、私も、あなたに会いたか…」

涙が溢れて来て声にならない。

彼に誤解されてる。

今度こそ、彼は私から離れていく。

いつも追い掛けてすがるのは私。

だけど彼には追い付けない。

だけど、だけど心が遼を常に熱く求める。

自分でもどうしたらいいのか分からない程に。

遼は泣いている私を暫く立ち止まって見ていた様だったがやがて髪にそっと触れてきた。

「愛、俺がいなくて…寂しかった?」

「ひっく、う…う。
当たり前でしょ?」

今更、そんな事を聞いてくるのかと少し怒りながら答える。

< 163 / 236 >

この作品をシェア

pagetop