エリートな彼に甘く奪われました
「愛?」

戸惑いがちに遼が私に声をかける。

そうよ、釜田さんの前でこんな事したら遼は困るよね。

私が腕を緩めて離そうとしたら今度は遼が私を離すまい、とでも言う様に背中に腕を回して来た。

そのまま私の髪に顔を埋めて首筋に唇を触れて来る。

遼…。

私の愛しい人。

私もあなたを私の全てで包みたい。

彼の肩に顔をつけて彼の匂いを吸い込む。

愛されて満たされていても、まだまだこの想いに渇きを覚える。

切なくて愛しくてもっともっと、と彼を求めてしまう。

「…やれやれ、じゃあ、邪魔者は退散しますか。遼、搭乗口の側にいるから。遅れんなよー」

釜田さんはそう言うと向こうに向かって歩き出した。

その途端、再び釜田さんの声がした。

「麻耶ちゃん…」

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