エリートな彼に甘く奪われました
次の日。

会社に出社した私に色々な人が視線を投げ掛けてくる。

「……?」

何か敵意の様なものを感じて何度も振り返る。

「あ、いたいた。愛、あなた、すごいじゃない」

同期の真奈美が昼休みに声をかけてきた。

「何が?」

「やぁだ、とぼけないでよ。昨日、空港でプリンスと熱烈なラブシーンだったんでしょー」

「…え…」

真奈美によると、たまたま通りかかった笠島の社員が見掛けたのだそうだ。

今や会社中の噂になっているみたい。

私は俯いてしばらく考えた後、顔を上げてにっこり笑いながら真奈美に言った。

「…やだ、見られてたの?とうとうばれちゃったわね」






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